戸籍と結婚(離婚・認知)

戸籍制度で夫婦別姓はデメリットだらけ!?その問題点とは?

夫婦別姓と問題点

日本には戸籍制度があり、夫婦別姓は認められていません。

そのため、夫婦別姓にすることで、現状ではいくつかの問題点があります。

ここでは夫婦別姓にすることで、指摘されているデメリットをまとめています。

夫婦別姓の問題点

夫婦別姓制度は過去にも何度か導入が検討されてきましたが、いずれも実現には至っていません。

それは日本国民の意識の問題だけではなく、夫婦別姓で社会生活上に問題点やデメリットが少なくないからです。

問題点として、主に以下が挙げられます。

  1. 子どもや家族関係の問題
  2. 公的サービスの問題
  3. 相続の問題
  4. 住宅ローンの問題

やはり法律上、夫婦別姓が認められていないため、世間的な目もありますが、普段の生活の中であらゆる問題点があるようです。

夫婦別姓を考える上での日本の戸籍制度

夫婦別姓を問題として捉える際、戸籍制度をまず理解しておきましょう。

日本では結婚すると夫婦で同じ戸籍に入って同じ苗字になります。

法律上、夫婦別姓は認められておらず、夫婦別姓によるデメリットを考える際は、日本の戸籍制度では内縁関係を結ぶことによる事実婚を前提にします。

戸籍制度は家族集団単位の公の登録制度です。

出生届の提出をもって子は一組の夫婦の戸籍に入り、いずれかの姓を同じくする未婚の子を単位に作られています。

これは結婚や離婚、養子縁組などによって変わり、最終的に死亡まで記載されるというものです。

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法律婚ではない事実婚は、法律上の立場が弱いという点が最大のデメリットです。

そういったことから、夫婦別姓を選択したとすれば制度上、そして社会の風潮上さまざまな問題点やデメリットがあります。

選択的夫婦別姓制度の導入については、日本の戸籍制度への影響も考える必要もあるでしょう。

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ここからは夫婦別姓をすることで具体的にどんな問題やデメリットが指摘されているのか見ていきましょう。

子供や家族関係に関するデメリット

まずは子供や家族に関するデメリットです。

家族の一体感がなくなる

子どもが「非嫡出子」となり、事実婚では子供との関係が法律婚と変わるという点があります。。

事実婚で妊娠・出産といったライフイベントがあったら、さまざまな手続きが必要となります。

入籍をしていないカップルの間に子どもが生まれたら、子どもは自動的に母親の戸籍に入るという決まりになっているため、父親との親子関係は法的に認められていません。

まずそのことから、子どもには父親からの扶養や相続を受ける権利がありません。

父と子の親子関係を法的に認めてもらうには、父親が「認知」の手続きとして、「認知届」を出す必要があります。

親権を父親に変更したり、子供の姓を父親の姓に変えたいとなれば、父親が「認知」した上で、家庭裁判所での手続きをする必要が出てくるのです。

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また、子供の「親権」にも注意が必要で、入籍していれば両親に「共同親権」がありますが、事実婚の場合は「母親のみ」が親権者になる決まりです。

子供の共同親権が持てないとは婚姻関係にある夫婦であれば、両親ともに生まれた子の母、父と認められるので、子供の親権を両親ふたりで持つことができます。

しかし、婚姻をしていない母から生まれた子(非嫡出子・婚外子)は、認知されていない状態だと、子供の親権は母のみが持つことになります。

認知や養子など手続きを経て父へと親権を移すこともできますが、二人が同時に親権を持つことはできません。

これは親権者の許可・同意が必要な際には、そのたびに親権を持つ者が対応します。

父母どちらでも対応できる法律婚夫婦と比較したら、時間的にも物理的にも融通が効かないというデメリットとなります。

このように、夫婦別姓になると家族の一体感がなくなり、親に対する繋がりが薄くなるという問題が生じるかもしれません。

子どもがどちらかの親と違う姓になるということによって、日本の規範意識では家族がバラバラになりはしないかという心配もささやかれていますよね。

世間体でのデメリット

日本においては氏が片方の親と違うというだけでも違和感をもたれ、場合によっては子供がいじめられる例がありるほどです。

携帯電話の家族割などでも、事実婚の状態では利用ができないということが多いく、積み重ねで「家族ではない」という意識が植え付けられるのが問題となっています。

家族の証明が難しい

社会的には通常、姓の同一性によって家族であるか否かを考える根拠とするため、夫婦や父子の姓が異なる夫婦別姓の家族は、家族であることを証明することが困難となります。

また、法律上結婚していれば、日常生活について夫婦間に代理権があり、配偶者の代理人として契約をすることができますが、内縁関係ではこのような代理権はありません。

例えば病気やけがで意思表示できない場合に、代理人として手術や必要な処置についての同意などの契約できないことがあります。

このように、家族の関係性の証明に困難が伴うのが大きなデメリットです。

代理人や保証人になれないとは

事実婚では、急なケガや病気で入院することになれば、配偶者の代理人や保証人となることができないという障害が大きな問題としてあります。

二人のどちらかに入院や手術が必要になった場合、入籍していれば親族扱いになり、入院や手術の同意書にサインが可能ですが、事実婚は原則できません。

そして代理手続きができる場合でも、委任状や夫婦関係を証明するものが必要ことがあり、手間がかかることが多いです。

住民票を同じにしたり、公正証書を作成したりするケースも多いですが、病院での手術や遺産相続などでは身分や権利関係に不安定さがあります。

離婚率が高まってしまう

出産や育児でも、法律婚とは異なる扱いとなります。

子どもが生まれると婚外子となり、共同で親権を持つことができないため、出産の時だけ婚姻届を提出して法律婚をし、その後「ペーパー離婚」するカップルもでます。

(もともと日本の離婚率は低くないですが)

旧姓の通称使用は、女性の社会進出に伴い急増し、多くの民間企業をはじめ、国家公務員でも認められています。

しかし、社内での各種手続きで戸籍姓しか使用できなかったりして、不便な点も多いのが現状です。

公的サービスにおけるデメリット

夫婦別姓を許可されていない現在、別姓夫婦は正式な結婚とは見なされず、公的優遇措置を受けにくい、または受けることができないという問題点があります。

これはLGBTのパートナーシップ制度も同じことが言えますね。

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夫婦別姓は「事実婚」として扱われ、扶養控除や配偶者控除(配偶者の収入が一定以下の場合に、住民税や所得税などの負担が軽くなる制度)や医療費控除、相続税・各種特例や控除は、内縁関係では対象にはならないため受けることはできません。

以上のように法律婚の夫婦に比べると夫婦別姓は税金の負担が重くなるのが大きなデメリットです。

さらに、不妊治療の費用助成金は2021年以降、事実婚でも対象とされることになりましたが、それでも内縁関係成立の要件を満たす必要があります。

結婚すると会社で「家族手当」などを受けられることもありますが、こういった福利厚生の制度も事実婚だと会社によっては受けられないことがあるというのが問題です。

相続に関するデメリット

夫婦別姓の事実婚は相続権にも影響が出ます。

相続権が認められない

事実婚の夫婦は法律上の夫婦ではないため、お互いに法定相続人となることができないという点が大きなデメリットです。

一方が死亡したら、もう一方の配偶者は法定相続人ではないために遺産を受け取れません。

また非嫡出子は、認知されない限りは内縁の夫との間には法律上の父子関係がなく、法律上父親に扶養を求める権利は有せず、父親の法定相続人にもなれないのです。

なお、子どもがいると子どもは母親の法定相続人となります。

父親の認知を受けていれば父親の法定相続人となることも可能ですが、生命保険の受け取りができないなどのデメリットがあるのが現状です。

権利関係に不安定さがある

法律婚の夫婦は、パートナーが亡くなったときに財産を相続できます。

一方で事実婚は、配偶者は相続を受ける対象とはならず、パートナーの遺した財産を受け取れないというデメリットがあります。

財産を残したいなら、「遺言書」を作成する必要がありますが、遺言によって相続できても、「相続税」がかかります。

「配偶者を相続の対象にする」旨の遺言をパートナーがしていたなら、事実婚の配偶者でも、パートナーの財産を受け取ることができます。

法定相続人とは、 相続される人(被相続人)が亡くなった場合に、誰が相続する人(相続人)となって、どのくら い相続できるか、ということを法によって定められている人のことです。

事実婚(内縁)の妻、または夫がまだ健在の場合は遺言を残しておく、あるいは生前贈与を行うなどで相手に財産を残すことが可能です。

事実婚(内縁)の相続に関する留意点事実婚の妻・夫に 遺言で相続をさせたい場合の留意点は以下になります。

  1. 相続税の「配偶者控除」もないので配偶者である場合の2割増しの税金がかかる
  2. 法定相続人からの遺留分の請求がある可能性がある
    (遺産の全額をパートナーに!と思っても、そうはいかない)
  3. 遺言はいつでも書き直しが可能
    (ただし違う内容の遺言を別々に管理すると問題が生じる)
  4. 遺言として効力を有効にするには法に定める要件があり、専門家に相談すること
  5. 法定相続人が誰もいない時は場合によって特別縁故者として認められることがある

住宅ローンなどに関するデメリット

住宅の購入は一生に一度の大きな買い物です。

ほとんどの方が住宅ローンを組んで返済しながら住み続けることを前提としますが、夫婦別姓だとかんたんには行きません。

ペア・ローンなどの住宅ローンを受けられない

夫婦共働きの場合に、住宅ローンのペア・ローンなどを利用することができます。

しかし、事実婚は、金融機関にもよりますが、ペア・ローンの利用が難しい可能性が高くなります。

家族や夫婦向けのような賃貸住宅に関して賃貸借契約をする際にも、内縁関係の場合、審査の際に法律婚の夫婦よりもデメリットになる可能性があります。

夫婦別姓で家族関係は崩壊する?

夫婦別姓を反対する方の意見として、最も懸念されているのが家族の崩壊です。

どのような状態が家族の崩壊なのか、人によって違うかと思います。

たとえば、夫婦別姓となると戸籍制度への影響もあり、戸籍上での家族の分解という状態であったり、元来の日本での夫婦や家族の在り方が変わり崩壊するという風にも考えられます。

このあたりはいろんな意見があるかと思いますが、戸籍制度の廃止と同様に慎重な議論が必要です。

戸籍制度と夫婦別姓の問題点のまとめ

夫婦別姓はメリットもあり、苗字が変わらないことで、結婚や離婚などのプライバシーが守られます。

他にも、仕事で長年使用している苗字(旧姓)を使うことで、周囲が混乱しないなど。

しかし、戸籍制度の点から、日本では夫婦別姓になることであらゆる問題点が言われています。

現実的に公的サービスが受けられないなどのデメリットがありますが、世間的な目や日本の風潮による問題もあります。

夫婦別姓は難しい問題ですが、単純に苗字を変えるのって手続きがかなり面倒です。

別姓にするメリットもあるので、積極的に議論してほしいと思います。

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