日本に帰化する外国人の中で最も多いのは韓国・朝鮮籍の人です。
法務省の統計によると、2022年の帰化者7059人のうち2663人が韓国・朝鮮籍でした(出典:法務省「帰化許可申請者数等の推移」)。
では、帰化した韓国人はどんな日本の名字を名乗ることが多いのでしょうか。
一般的には「金本」「新井」「木下」などが多いと言われますが、実際には時代によって大きく変化しており、通名の歴史や帰化者のデータを見ていくと、意外な名字が上位に入っていることもあります。
この記事では、1959年・1980年の通名ランキングから、最新の大規模調査まで、帰化した韓国人に多い名字をデータで徹底解説します。
帰化した韓国人に多い名字(結論)
- 金(キム) → 金本・金子 など
- 李(イ) → 木下・高木 など
- 朴(パク) → 新井・木下 など
韓国では金・李・朴が圧倒的に多く、出生名に関連した日本の名字を選ぶケースが多いのが理由です。
なぜ金本・新井・木下が多いのか(背景)
韓国では「金」「李」「朴」が最も多い名字で、それぞれに数百の氏族(本貫)が存在します。
日本で通名を使ってきた在日韓国人の間でも、「金」がつく名字や木に関連する名字が多く、帰化後もそれまで使っていた通名を正式な日本の名字として選ぶケースが一般的です。
代表的な対応関係として、次のような例があります。
金(キム) → 金本・金子
韓国で最も多い名字。「金」の漢字を残す人が多い傾向があります。
李(イ) → 木下・高木
字形が「木」に近いため、日本の木に関する名字が選ばれやすいです。
朴(パク) → 新井・木下
朴の字形が木に近いことから、木下が選ばれやすい傾向があります。
在日韓国人の通名ランキング(データ)
帰化後の名字を考えるうえで、在日韓国人が日本で使用してきた「通名」は非常に参考になります。
ここでは、1959年・1980年の通名ランキングを紹介します。
1980年の通名ランキング
- 1. 新井(303人)
- 2. 山本(199人)
- 3. 金本(173人)
- 4. 木村(161人)
- 5. 金田(158人)
参照元:『在日韓国人名録 1981年版』(統一日報社、1980)
1959年の通名ランキング
- 1. 金本(809人)
- 2. 金山(673人)
- 3. 金田(559人)
- 4. 新井(426人)
- 5. 山本(419人)
参照元:『金英達著作集Ⅰ 創氏改名の法制度と歴史』(金英達著、伊地知紀子編、明石書店、2002)
最新の大規模調査では「山本」が1位だった名字
帰化した韓国人や在日コリアンの通名について、最も大規模な調査(2022年)を行ったのが宮本洋一氏です。
宮本氏は官報に掲載された帰化者の名字を調査し、合計9,672名分の名字を集計しました。
その結果、一般的に多いと言われる金本や新井ではなく、最も多かった名字は「山本」でした。
なぜ山本が多いのか(考察)
データの傾向から次のような背景が考えられます。
- 山本は日本で非常に多い名字(全国7位)で、地域的にも広く分布している
- 読みやすく、日常生活で違和感が少ない
- 職場や学校で目立ちにくい「一般的な名字」である
こうした点から、「自然で使いやすい名字」として選ばれた可能性があります。ただし、これはあくまで考察であり、個々の選択理由は人によって異なります。
帰化や在日を公表している芸能人の名字
芸能人の中には、在日であることや帰化したことを本人の発言・著書・インタビューなどで公表しているケースがあります。
一方で、すべての人が自ら公表しているわけではないため、名字だけで出自を判断することはできません。
- 和田アキ子(本人が在日2世と公表)
- 南果歩(本人が在日であることを公表)
- 伊原剛志(本人が帰化を公表)
- 金村義明(本人が在日であることを公表)
- 秋山成勲(本人が帰化を公表)
- 岩城滉一(在日と報じられている)
- 井川遥(在日と報じられている)
まとめ:帰化した韓国人に多い名字は“時代で変化する”
帰化した韓国人に多い名字には一定の傾向がありますが、時代によって大きく変化しています。
- 1959年:金本が最多
- 1980年:新井が最多
- 大規模調査:山本が最多
出生名に由来する名字を選ぶ人もいれば、一般的な日本の名字を選ぶ人も増えており、名字だけで帰化の有無を判断することはできません。