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戸籍の差し戻しはなぜ起きる?相続手続きの原因と対処

戸籍の差し戻しの対処法と原因
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相続手続きを進める中で、「戸籍が足りないので受理できません」と役所や金融機関から差し戻された経験はありませんか。

出生から死亡までの戸籍をすべて集めたつもりでも、「まだ不足しています」「この戸籍が抜けています」と言われ、
何度も役所に足を運ぶことになるケースは少なくありません。

実は、相続における戸籍の差し戻しは珍しいことではなく、制度上の理由と実務上の落とし穴が重なって起きています。

この記事では、相続の戸籍集めで差し戻されやすい原因と、どの戸籍が不足しやすいのかを具体例を交えて解説します。

相続の戸籍が「差し戻される」のは珍しくない

相続手続きでは、被相続人が生まれてから亡くなるまでの身分関係を、戸籍によって連続して証明する必要があります。

これは「この人が誰の子で、誰と結婚し、誰が相続人なのか」を第三者が客観的に確認できるようにするためです。

そのため、たとえ一部の戸籍が欠けているだけでも、相続関係が完全に証明できないと判断されれば、手続きは受理されません。

特に、転籍や改製が多い人、兄弟姉妹が相続人になるケースでは、本人も気づかないまま戸籍が抜け落ちていることがよくあります。

相続で「不足しやすい戸籍」具体例

相続では、被相続人が「同一人物であることを出生から死亡まで連続して証明できる戸籍」が求められます。

しかし実際には、途中の戸籍が1通でも抜けていると、一連のつながりが確認できなくなります。

出生から死亡までつながっていない

相続手続きで最も多い差し戻し理由が、「出生から死亡まで戸籍が連続していない」ケースです。

戸籍は1通あれば足りるものではなく、被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍の変遷を時系列で揃える必要があります。

たとえば、

  • 途中で転籍している
  • 戸籍の様式が改製されている
  • 結婚・離婚によって戸籍が変わっている

こうした場合、最新の戸籍謄本だけでは不十分で、その前の戸籍(除籍・改製原戸籍)が必要になります。

「死亡の記載がある戸籍はあるのに、出生の記載が確認できない」
「途中の戸籍が一世代分抜けている」

といった状態では、相続関係を証明できず差し戻されます。

転籍・改製原戸籍が抜けている

本籍地を変更(転籍)している人の場合、旧本籍地の戸籍が抜け落ちやすい傾向があります。

また、戸籍制度は何度か様式変更(改製)が行われており、改製前の情報は「改製原戸籍」にしか載っていません。

そのため、

  • 現在の戸籍には出生の記載がない
  • 親子関係の記載が途中からしかない

といったことが起こります。

役所で「出生まで遡ってください」と言われた場合は、転籍前・改製前の戸籍が必要という意味です。

どこまで遡ればいいのか分からず、何度も請求を繰り返す人が多いポイントでもあります。

兄弟姉妹相続で親の戸籍が足りない

兄弟姉妹が相続人になる場合、被相続人本人の戸籍だけでは足りません。

このケースでは、

  • 父の出生から死亡までの戸籍
  • 母の出生から死亡までの戸籍

が原則として必要になります。

なぜなら、兄弟姉妹相続では「被相続人に直系卑属も直系尊属もいない」ことを戸籍で証明しなければならないからです。

親の戸籍が途中までしか揃っていないと、「ほかに相続人がいない」と証明できず、差し戻される原因になります。

特に、親が早く亡くなっている場合や、親の本籍が遠方・不明な場合は要注意です。

養子縁組・婚姻歴の戸籍が漏れている

養子縁組や再婚歴がある場合、その事実が記載された戸籍を確認できないと、相続関係が確定できません。

たとえば、

  • 過去に養子縁組をしていた
  • 離婚後に戸籍を移している
  • 婚姻によって本籍が変わっている

こうした履歴は、現在の戸籍だけでは分からないことがあります。

金融機関や法務局では、相続人が増減する可能性のある要素について、特に厳しく確認されます。

そのため、養子縁組や婚姻歴がある場合は、「念のため集めたつもり」が通用せず、不足として差し戻されることがあります。

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なぜ役所・金融機関はここまで厳しいのか

相続手続きを進める中で、多くの人がこう感じます。

「もう十分に戸籍は出しているはずなのに、なぜまだ足りないと言われるのか」
「ここまで細かく確認する必要があるのか」

しかし、役所や金融機関が戸籍の不備に厳しいのには、明確な理由があります。

「相続人を確定できない」=手続きができない

相続手続きの大前提は、相続人が誰で、何人いるのかを確定させることです。

これは推測や申告では足りず、戸籍という公的証明で裏付ける必要があります。

戸籍が途中で欠けている場合、

  • 本当は別の相続人が存在する可能性がある
  • すでに亡くなっているはずの人の子が確認できない

といった状態が否定できません。

その状態で手続きを進めることは、誤った相続人に財産を渡してしまうリスクを意味します。

一度間違えると「取り返しがつかない」から

金融機関や法務局が特に慎重になる理由は、相続手続きが原則としてやり直せないからです。

たとえば、

  • 本来の相続人が後から判明した
  • 遺産分割が無効になる
  • 損害賠償や訴訟に発展する

こうした事態が起きると、手続きを受け付けた側にも重大な責任が生じます。

そのため、「少しでも不安要素があれば止める」という判断が取られます。

これは意地悪でも融通が利かないわけでもなく、リスク管理として当然の対応なのです。

窓口では「個別事情」を考慮できない

「この人に兄弟はいないはず」
「家族関係は単純だから大丈夫」

そう説明したくなる場面もありますが、窓口では事情説明は判断材料になりません。

役所や金融機関は、

  • 提出された書類
  • そこに書かれている事実

だけを基準に判断します。

これは担当者個人の裁量ではなく、内部ルールや監査を前提とした運用だからです。

結果として、「前例がない」「確認できない」という理由で差し戻しが発生します。

不足しているのは「書類」ではなく「証明」

相続でよくある誤解が、「戸籍の枚数が足りない」という考え方です。

実際に不足しているのは、相続関係を最後まで証明するための連続性です。

1通1通の戸籍は揃っていても、

  • 時系列がつながっていない
  • 重要な身分関係が確認できない

状態では、「揃っている」とは判断されません。

このズレが、

「集めたつもりなのに足りない」
「何が不足しているのか分からない」

という混乱を生みます。

この「証明の連続性」を自分で判断するのが難しいことが、相続の戸籍集めで多くの人が行き詰まる理由でもあります。

戸籍の内容を一通ずつ読み取り、相続関係が最後まで証明できているかを確認する作業は、実務に慣れていないと判断が分かれやすいポイントです。

そのため、差し戻しを何度も繰り返す前に、戸籍調査や相続書類の確認を専門家に依頼する人も少なくありません。

戸籍の差し戻しは専門家に任せるのが安心

相続手続きを進める中で、戸籍が足りない、つなぎが分からないといった理由で差し戻されるケースは少なくありません。

特に、転籍や婚姻・養子縁組など複雑な履歴がある場合、個人で正確に判断するのは非常に困難です。

こうした場合、戸籍収集から名義変更まで、専門家にまとめて任せるのが賢明です。

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