親などの扶養から外れて他の社会保険に加入しない場合は、国民健康保険に入ることになります。
私は体調の面で無職の期間が1年以上あったのですが、30歳を過ぎて親の扶養に入るのは気が引けたんですよね。
なので、扶養に入らないとすると国民健康保険に加入しなければならないのですが、国保ってかなり高いので迷いました。
無職の方の中には、「親から扶養を抜けてほしい」と言われた方や、私のように30代で扶養に入っているのが恥ずかしいとか、扶養に入らない理由はいろいろです。
費用の面で不安になる国民健康保険ですが、実は収入によって国民健康保険の支払いは減免や減額の申請ができます。
ここでは実家暮らしで収入が1年以上なしの無職の方に向けて、親の扶養から抜ける手続きや、国民健康保険に加入したら月額(年間)いくらなのかをまとめました。
フリーターで職場の社会保険に加入せず、扶養から外れた場合も国民健康保険の手続きが必要です。
実家暮らしで収入なしの無職の国民健康保険料はいくら?
国民健康保険料は実家暮らしの無職の方も支払わないといけません。
しかし、会社に勤めていた頃のように、月額何万円も支払わないといけないということではないです。
無職で収入がない場合、国民健康保険料は減免や減額の手続きでかなり安く抑えることができるからです。
無職で収入がない場合、国民健康保険料の目安は、一人あたり年額で約4万円~7万円です。
減額申請をすれば、最大7割減額できます。
※減免申請は住民税の申告や確定申告していれば不要
目安の金額から7割減額できた場合、収入がない方の国民健康保険料の月額は約2000円くらいで済みます。
ただし、前年の収入で国民健康保険料が決まるので、1年以上の無職で昨年の収入がない方に限ります。
昨年に一定の収入があって、現在、実家暮らしで収入がない無職の方は減額が少なくなるか減額できません。
ちなみに、国民健康保険は収入に応じて支払う料金が決まるので、実家暮らしというのは関係ありません。
収入がない無職に必要な国民健康保険の手続き
今は親などの扶養に入っていて、1年以上収入がない無職の方が扶養から抜ける場合、必要な手続きは3つあります。
特に減額手続きをする場合は重要な手続きなのでお忘れなく!
1.世帯分離をしておく
国民健康保険は世帯収入で月額・年額が決まります。
実家暮らしで無職のため国民健康保険料を減額するなら、世帯分離の手続きをしておきます。
実家暮らしでも世帯分離することができ、住民票上の世帯を分ける手続きです。
世帯分離すると実家(親)と同じ住所でもあなたが世帯主となることができ、あなたの収入に応じた保険料を支払います。
世帯分離をしないままでは親の収入で保険料が決まるため、1年以上収入なしの無職には高額で支払いはかなりキツイ状況になります。
注意点として、世帯分離は本来の目的とは違う「国民健康保険を安くしたいから」という理由では認められない可能性があります。
しかし、実家暮らしでも親と生計が別なら、それを理由に世帯分離することができます。
資格喪失証明書をもらう
実家暮らしで1年以上無職の場合は多くが親などの扶養に入っていると思います。
この場合、国民健康保険に入るためにそれまで加入していた健康保険の扶養から外れた日が確認できる書類が必要です。
その書類として「資格喪失証明書」があります。
資格喪失証明書は、親があなたを扶養しているなら、親の会社に発行してもらいます。
資格喪失証明書をもって市区町村の役所で国民健康保険の加入手続きをしましょう。
住民税の申告
無職であなたに収入がない場合は、基本的に住民税の申告は必要ありません。
しかし、国民健康保険は前年度の収入(所得)で月額・年額いくらなのかが決まります。
そのため、所得の証明として住民税の申告をしていないと、国民健康保険料の減額や減免の手続きができません。
住民税の申告をしていなくても国民健康保険の加入手続きはできますが、正確に保険料を計算できないため減免されず高額になる可能性があります。
確定申告を済ませていれば、住民税の申告は不要です。
収入なしの無職の国民健康保険に加入する手続き方法
1年以上無職で収入がない場合の国民健康保険に加入する手続き方法を具体的に見ていきましょう。
※役所はいつでも人が多いですが、昼(12:00~13:00)は比較的少ない傾向です
無職の世帯分離の手続き
世帯分離の手続きは、必要書類を市区町村の役所に提出するだけです。
窓口は市民課や住民課など、住民票や住民の転出入を扱っているところで手続きをします。
- 手続き場所
住民登録している市区町村の役所 - 手続できる人
本人・世帯主・代理人 - 必要書類
・住民異動届
・本人確認
マイナンバーのみ
マイナンバーがない場合、免許証やパスポート、顔写真がない場合は保険証など2点必要
・印鑑
・委任状
(代理人が手続きする場合)
>>住民異動届(転入・転居・転出・世帯変更など)様式ダウンロード|横浜市
申請書や申告書の様式は地域によって異なり、住民異動届は各市区町村の役所のホームページからダウンロードして持参してもいいです。
記載内容は難しくありません。
届け出に来た人の名前(あなた)や住所を書くくらいです。
世帯主の部分はこれからの住所はあなたの名前、今までの住所は実家の世帯主の名前を書きます。
実家の世帯主がわからない場合は住民票で確認できます。
本籍地の部分は転籍していない限り、実家住みで未婚の無職の方は、本籍地が実家の住所で筆頭者は両親のどちらかの可能性が高いです。
筆頭者は離婚や亡くなっていても自動的に変更されません。
※世帯分離は元の同一世帯に戻すことができます。
無職の住民税の申告の手続き
- 手続き場所
1月1日現在、住民票がある市区町村の役所
郵送でも可能な場合がある - 必要書類
・住民税申告書
・マイナンバーが確認できるもの
(番号カードやマイナンバー記載の住民票)
・本人確認書類
マイナンバーのみ
マイナンバーがない場合、免許証やパスポート、顔写真がない場合は保険証など2点必要
>> 【様式ダウンロード】令和5年度市民税・県民税申告書|横浜市
住民税の申告は市民税課・税務課・課税課などと呼ばれる窓口で手続きをします。
住民税の申告書は数枚あるのですが、無職で収入がない場合は書く場所は2カ所のみです。
はじめに、上の赤枠の住所や名前などを記入し、続いて下の赤枠の収入がなかった方の記入欄に記載します。
住民税の申告は期限が3月15日までです。
たとえば、令和4年分の住民税は令和5年に申告し、3月15日までに申告書を提出します。
無職で収入がなかったり、申告を忘れてしまう方もいますが、申告自体は随時受け付けているのでご安心ください。
ただし、非課税証明書(課税証明書)の発行は、住民税の申告から数日かかる場合があるのでご注ください。
無職の国民健康保険の加入手続き
- 手続き場所
市区町村の役所や郵送 - 必要書類
・国民健康保険加入等に関する申出書
・国民健康保険料減免申請書
・資格喪失証明書 - ・本人確認書類
マイナンバーカード
マイナンバーカードがない場合、免許証やパスポート、顔写真がない場合は保険証など2点必要 - マイナンバーがわかるもの
(マイナンバーカードや紙製の通知カード) - 振替用口座やキャッシュカード
(保険料の納付に使われる)
適用区分(左の1~7)の中で無職の場合は(5)の非課税減免に該当します。
国民健康保険の加入や減免(減額申請)は、市区町村の役所の年金課や保険年金課などと呼ばれる窓口で手続きができます。で手続きを行います。
郵送・窓口・オンラインで手続きができ、マイナンバーカードがあるとオンライン申請ができることが多います。
世帯主が変わったり引越しをしたなどの理由で手続きが必要です。
無職で扶養から抜けて資格喪失証明書を受け取ったら、14日以内に手続きをしましょう。
無職で国民健康保険に加入し減免申請を受ける場合、無職の証明書が必要になります。
無職証明書を発行できる役所があったり、所得が記載された非課税証明書を提出します。
保険証は本人が手続きしたら即日発行か郵送で送付されます。
引っ越ししたら、転入の届出の際に国民健康保険の加入を申し出ましょう。
一発!無職の国民健康保険料の計算方法
国民健康保険の計算方法は、医療保険分の税率や金額から計算します。
医療保険分の所得割+均等割+平等割=国民健康保険料
(資産割が含まれる所もある)
地域によって税率や金額が違いますが、計算方法は同じです。
1年以上収入ゼロの無職の30歳の方で下記を参考に計算をしてみます。
1年以上無職なので所得は0円で計算します。
所得割7.17%
均等割45,000円
平等割15,100円
=年額60,100円
最大7割減免で年額18,000円
※40歳以上は介護分も必要
賦課限度額という保険料負担の上限額がありますが、無職で収入が0の場合は保険料に影響がありません。
一定の収入があると面倒な計算になりますが、一発で都市別で計算できるサイトがあるので、「国民健康保険を簡単に計算!国保シミュレーション」を参考にしてください。
実家暮らしの無職が国民健康保険に入る手続きと費用のまとめ
実家暮らしでも家族と生計が別なら、世帯分離や減免申請で国民健康保険料を安くすることができます。
ただし、前年度の収入が一定額あれば無職でも減額ができなかったり、ごくわずかな減額になるのでご注意ください。