戸籍を手元で確認したいけれど、仕事や家事で市役所に行く時間がない…。
そんなときに便利なのが郵送での取り寄せです。
郵送のメリットは、自宅から手続きを進められることと、混雑する窓口に並ぶ必要がないことです。
速達を利用すれば数日で受け取れる場合もありますし、広域交付制度を使えば遠方の本籍地でも郵送請求が可能です。
一方、書類に不備があると返送される可能性があり、手続きに通常より数日かかる点は注意が必要です。
この記事では、郵送で戸籍謄本・抄本を取り寄せる手順を、わかりやすく解説します。
必要書類の揃え方から封筒の書き方、発送手順、さらに郵送時のよくある注意点まで、初めてでも迷わず手続きを進められます。
戸籍謄本を郵送で取り寄せる手順
-
必要書類を準備
- 郵送用戸籍謄本・抄本請求書(役所のホームページからダウンロード可能)
- 本人確認書類のコピー(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- 手数料(定額小為替 450円)※郵便局で購入できます
- 返信用封筒(切手貼付済み)
- 代理人の場合:委任状・本人との関係性証明書・代理人本人確認書類
※不備があると返送されるので、事前にチェックリストで確認してください
-
封筒に記入
- 宛先:本籍地の役所名・住所を正確に記入
- 差出人:自分の氏名・住所・電話番号
※宛名が間違っていると受け取りできません
-
郵送
- 準備した書類を封筒に入れ、本籍地の役所へ郵送
- 書留や速達を利用すると紛失や遅延の心配が減ります
-
返送を待つ
- 郵送で戸籍謄本が届きます(通常1週間〜10日、速達は数日)
郵送で取り寄せる際の必要書類と費用
戸籍を郵送で取り寄せるには、いくつかの書類と費用をそろえる必要があります。
初めての場合は「何を用意すればいいか」を確認してから準備すると安心です。
- 郵送用戸籍謄本・抄本請求書:役所のホームページからダウンロードできます
- 本人確認書類のコピー:運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真付き1点、または顔写真なし2点
- 手数料:定額小為替450円(郵便局で購入)
- 返信用封筒:切手を貼付し、宛先・差出人を記入
- 代理人の場合:委任状、本人との関係性証明書、代理人の本人確認書類
書類に不備があると、役所から返送される場合があります。
定額小為替は郵便局で「戸籍用」と伝えるだけで購入でき、封筒は3つ折りで構わないなら長形3号(120×235mm)が一般的です。
封筒の準備と書き方
戸籍を郵送で取り寄せる際には、2種類の封筒が必要です。
それぞれの役割と書き方をしっかり押さえておきましょう。
1. 郵送用封筒(役所に送る用)
役所に戸籍請求書類を送るための封筒です。
- 宛先:本籍地の役所名・住所を正確に記入
- 差出人:自分の氏名・住所・電話番号
- 速達希望:封筒上部に赤線を引き、「速達」と明記(速達と記載するだけでもよい)
- 封筒サイズ:長形3号(120×235mm)など、A4用紙が折りたたんで入るサイズ
2. 返信用封筒(役所から戻ってくる用)
役所が戸籍を返送するために同封する封筒です。
間違えると書類が返送されないことがあるため注意が必要です。
- 宛先:自分の住所・氏名・電話番号
- 切手:通常料金+簡易書留や速達料金(希望の場合)
- 封筒サイズ:A4用紙が折らずに入るサイズが望ましい
- 注意点:封筒は折り目がつきすぎないようにする、封はきちんと閉じる
書類の紛失や返送ミスを防ぐため、封筒の種類・宛名・切手の確認を発送前に必ず行いましょう。
急ぎなら速達、より安心して受け取るためには、書留や簡易書留を利用するのもおすすめです。
速達と同様に、簡易書留も封筒の上部か下部に記入します。
特に重要な戸籍や大量の書類を送る場合は、追跡番号がある方法を選ぶと安心です。
切手の金額は、封筒の重さにより異なります。
- 通常84円~94円
- 速達+260円
- 簡易書留+350円
封筒に不備がないかを、発送前にもう一度確認しましょう。
各自治体の郵送で取り寄せる条件の例
郵送で戸籍を請求する際、自治体によって通常の手続きとは少し異なるルールがあります。
以下は代表的な例です。
自分の本籍地の自治体も必ず公式サイトで確認してください。
| 都道府県 | 条件・注意点 |
|---|---|
| 栗東市(滋賀県) | 本籍地が栗東市以外の場合は郵送請求不可 通常の「全国どこからでも郵送可」とは異なる |
| 近江八幡市(滋賀県) | 第三者請求時、請求理由や疎明資料が必要 代理人請求の場合は追加書類必須 |
| 伊丹市(兵庫県) | 本籍地が伊丹市以外の場合は郵送請求不可 本人請求でも本籍地制限あり |
| 泉南市(大阪府) | 広域交付制度と郵送請求の併用不可 |
| 南山城村(京都府) | 本籍地でなければ発行不可 郵送請求は本籍地限定 |
| 八幡市(京都府) | 請求者住所が住民登録地でない場合は郵送不可 代理人や勤務先住所には送れない |
| 長岡京市(京都府) | 第三者請求は正当な理由が必要 一般の代理請求より制限あり |
| 豊中市(大阪府) | 第三者請求・代理人請求時に請求理由と権限証明書が必要 郵送請求条件が厳しい |
基本的に各自治体では、郵送請求のルールは標準的な手順に沿って進めることができます。
請求前には必ず各自治体の公式サイトで最新情報を確認してください。
郵送で戸籍謄本・抄本を取り寄せる際の注意点
戸籍謄本や抄本を郵送で取り寄せる際には、初めての方がつまずきやすいポイントがあります。
ここで重要な注意点を整理しておきましょう。
本人以外の請求や代理人の条件
戸籍は原則として本人や戸籍に記載された人のみが請求できます。
代理人が請求する場合は委任状が必須です。
委任状には本人との関係や連絡先を明記し、代理人の本人確認書類も添付します。
本籍地と筆頭者を事前に確認
郵送で戸籍謄本・抄本を取り寄せるには、本籍地と筆頭者の名前が必要です。
家族に聞くなどして事前に確認しておきましょう。
本籍地を知らないと戸籍の取り寄せができません。
郵送での到着日数と速達の扱い
通常、郵送で取り寄せると手元に届くまで1週間~10日かかります。
速達を利用すれば郵送時間は少し早くなりますが、役所の事務処理時間は状況によります。
特に戸籍に変動があった直後は、通常より日数がかかることがあります。
戸籍謄本・抄本の有効期限
取り寄せた戸籍の有効期限は提出先によって異なります。
金融機関では3か月、パスポート申請では6か月が目安です。
婚姻届用は有効期限が定められていない場合もあります。
期限を過ぎると再度請求する必要があるため注意してください。
封筒や書類の扱い
封筒に折り目が多すぎると書類が読みにくくなることがあります。
封筒はきちんと封を閉じ、書類が曲がったり破れたりしないよう注意しましょう。
宛名や差出人は丁寧に書くことで返送リスクを減らせます。
広域交付制度の利用
戸籍は原則として本籍地の役所でしか取得できませんが、広域交付制度を使うと他の市区町村からも請求可能です。
遠方の本籍地に戸籍がある場合や郵送で取り寄せたい場合に便利です。
ただし、手続きや必要書類は通常の郵送請求と同じです。事前に市区町村の対応を確認しておくと安心です。
郵送で戸籍を取り寄せる方法と注意点のまとめ
郵送で戸籍謄本・抄本を取り寄せるポイントは以下の通りです:
- 必要書類をそろえ、封筒の宛名・差出人を正しく記入する
- 郵送手順に沿って発送する(書留・速達の利用も検討)
- 注意点を確認すれば、初めてでも安心して手続きできる
ポイントを押さえれば、自宅にいながら戸籍を安全に受け取れます。