戸籍の改姓や名前の改名について、特にクレジットカードのキャッシングやカードローンを利用されている方は興味がある話題ではないでしょうか。
戸籍の改名は名前に不都合があって改名したり、名前の改名だけでなく、結婚により苗字の改姓もあります。
戸籍の名前変更は一般的に結婚での改姓がありますが、一定の条件を満たせば戸籍の苗字だけでなく名前の改名も可能です。
改名を検討されている方の中に、今の借金をどうにかしたいとお悩みの方や、改名すればクレジットカードを発行できる、借入ができる、と考えている方もいるのではないでしょうか。
戸籍を改名することで今ある借金が帳消しになるのか、すでに限度額いっぱいに借入してる方や、クレジットカードを作って新たに借入ができるのかって気になるところですよね。
ここでは戸籍の改名による借金やクレジットカードへの影響について解説します。
クレジットカードの審査の仕組みに関して、元カード会社社員に聞いた話をまとめていますのでぜひ参考にしてくださいね。
戸籍の改名で借金は消えないがクレジットカードは作れる
結論ですが、戸籍の改名をしても借金はなくなりませんが、新たにクレジットカードを作って借入できる可能性はあるようです。
しかし、改名した事実を伝えず、別人としてクレジットカードを作り、故意に借金した場合は詐欺に該当する場合があります。
借金を返済する為にクレジットカード作って借入できても、キャッシングやカードローンの支払いが延滞した時に戸籍を改名したことが発覚すると、一括請求になるといったペナルティを受けるかもしれません。
クレジットカードの審査や調査の仕組みは後述していますが、早かれ遅かれクレジットカード会社に改名した事実はバレます。
リスクが大きいので、改名して借金のためにクレジットカードを作って借入するというのはおすすめしません。
借金を理由に戸籍の改名はできない?
そもそもの話ですが、改名でクレジットカードを作れるか、借入できるかの前に、戸籍の改名はどのような方が行うものなのかを知っておきましょう。
戸籍の改名は大きく分けて3つのパターンがあります。
- 結婚して戸籍の改姓をする
- 名前に不都合があり戸籍を改名する
- 外国人が日本国籍へ帰化する際の改名
①の結婚による戸籍の改姓は誰でもご存じだと思います。
日本の法律では夫婦別姓は認められておらず、結婚すると夫婦は同じ戸籍の苗字になります。
②は、例えば名前が世間的に非常識であったり、日常的に使われる漢字ではなく社会生活上不都合がある場合です。
この場合は、家庭裁判所に申立手許可されることで、戸籍の改名が可能です。
しかし、「社会生活上不都合が生じている」ことを立証する必要があり、名前が恥ずかしいから・・だけで戸籍の改名は認められません。
これは借金を理由にした改名も同じで、「借金があるから・・」といった理由では、戸籍の改名は許可されません。
戸籍の改名が許可されるためには、「正当な事由」が必要なのでご注意ください。
改名によるクレジットカードの審査・新規申込みへの影響
では実際にもしあなたが借金がある状態で戸籍の改名を行った場合、クレジットカードやカードローンの取り扱いはどのようになるのでしょう。
最初にお伝えしたように、戸籍の改名で借金はなくなりませんが、クレジットカードを作って借入することはできるかもしれません。
このあたりについて、戸籍の改名が借金にどのように影響するのか、クレジットカード会社の審査や借金の督促の仕組みという部分で解説します。
借金があってもクレジットカードの申し込みは簡単
クレジットカード・消費者金融・銀行は、新しい口座開設の申し込みを受けると入会審査を行います。
過去にクレジットカードやカードローンを申し込んだことがある方はご存じだと思いますが、基本的にクレジットカードの申し込みには、氏名・住所・電話番号などの基本的な個人情報しか書く欄はありません。
クレジットカードの申し込み書類には、マイナンバーカードなど、同一人物であるかどうかを識別するものを記載する必要がなく、改名の有無にかかわらずクレジットカードの申し込み自体は簡単にできます。
借金があるとクレジットカードの審査は不利になるものの、申し込み可能です。
クレジットカードの審査の仕組み
クレジットカードの申し込み時の情報から、第一ステップとして自社の顧客名簿と信用情報機関に、名前、住所、生年月日、電話番号、勤務先のうち3点が一致する人物の照会を行います。
戸籍を改名して名前が変わっていても、クレジットカードの審査では、住所・生年月日・電話番号・勤務先の3つが一致していれば見抜けるということですね。
住所については地番と呼び、マンション名などを省いた番地までの住所で照会するので、例えマンション名を省略したり、少し違うマンション名の書き方をしても同一住所であることはわかります。
次に電話番号です。
こちらは場合により、住所から電話番号案内のデータベースを使用し照会を行います。
そのため、例えば過去に自宅の固定電話で借入れをしていたが、今回は携帯電話で申し込んだ場合でも、自宅の固定電話が割り出され、同一人物であるか念入りな照会が行われます。
クレジットカードの申し込みには身分証明書の提示が必須のため、生年月日の偽装はできませんし、住所も高い確率で割り出されます。
電話番号を変えても他の項目で本人の信用状態は紹介出来てしまうので、例えば限度額いっぱいに借金をしている方や、過去に借入を返済せず延滞がある人はクレジットカードの審査に通過しないのです。
改名で別人と扱われる可能性もある
上記でクレジットカードの審査の仕組みをお伝えしましたが、この仕組みには欠点もあり、借金があっても戸籍の改名によって別人として審査が通過する可能性もあります。
過去のクレジットカードの利用時と、住所、電話番号、勤務先が異なり、かつ戸籍を改名して名前も異なっていれば、過去の信用情報と突合ができません。
まったくの別人として扱われてしまう場合があり、戸籍の改名により借金があっても延滞者であっても新規に借金ができる可能性はあることになります。
ただし、この仕組みを分かった上でクレジットカードを作り、借金して延滞すると詐欺に該当する場合があるので止めましょう。
クレジットカードの借入や延滞で改名はバレる?
戸籍の改名によってクレジットカードの審査に通過し、新たに借入ができたとします。
この場合、再び延滞をするとどうなるのでしょう。
クレジットカードはおおむね1ヶ月程度の延滞が続くと、調査部門に引き継ぎが行われるそうです。
クレジットカードの調査部門では、延滞顧客への連絡と並行して、延滞顧客が逃亡を図らないように監視体制に入ります。
信用情報機関の個人情報を取得し、他社のクレジットカードなどの借入れ状況を把握しつつ、住所変更をしていないか?別住所で新たなカードローンの申し込みをしていないか?を確認します。
住所が変わっていれば、手紙を送付したり直接出向いたりするなどして、所在の把握を行います。
クレジットカードの調査で加えて行うのが、住民票の取得です。
例えば、差し押さえなどを行う場合、裁判所の申し立て手続きに債務者の住民票が必要になるためです。
住民票には実にさまざまな情報が書かれており、引っ越しを行っていれば引っ越し先も記載されるので延滞者の所在地も判明します。
もし、改名を行っていれば、その事実も住民票や戸籍から判明することになります。
当然、改名を行っていた事実や今の借金はクレジットカード会社の知るところとなりますので、改名する前の名前で他の借入があれば合算しての督促に変わります。
他にも改名する前の名前の信用状態が悪ければ、即時差し押さえ手続きに移行するなど、厳しい債権回収が行われる場合があります。
改名しなくても借金を消す方法
借金のために改名してリスクを冒さなくても、合法的に借金を帳消しにする方法があります。
- 借金を一切返済せず5年以上経過し時効が成立した場合
(条件あり) - 自己破産を行い裁判所が認めたとき
①はあまり知られていませんが、最後に借金を返済してから5年以上が経過し、その間にクレジットカード会社が裁判所へ差し押さえの手続きなどを行わず、時効が中断しなければ借金を払う必要がなくなります。
もちろん、借金の返済の時効が成立するためには要件がありますので、弁護士等に相談するのも一つの方法です。
「こういったプラットフォーム」のように、今はネットで気軽に弁護士などに相談できる時代なので活用しましょう。
少なくとも戸籍の改名のような目先の手続きで借金が帳消しになったり、新たな借入ができて穏便に済むほどキャッシングやカードローンは甘くはありません。
借金で悩んでいる場合は、まずは専門家へ相談するのが賢明です。
戸籍の改名と借金やクレジットカードのまとめ
戸籍の改名による借金やクレジットカードに関して解説しましたが、カード会社・消費者金融・銀行の審査と債権回収の裏側にちて、ご理解いただけたのではないでしょうか?
戸籍を改名することにより、条件が揃えばクレジットカードを発行したり、新しい借金ができる可能性はあります。
しかし、それはあくまでもクレジットカード会社の仕組みの裏を突いたやり方であり許されないことです。
また、改名して借金そても延滞を行うことで、カード会社は延滞者の住民票を請求することが可能となります。
これにより、改名する前と改名した後の名前の人物が同一であることを調べることができるのです。
戸籍を改名をしても借金が消えることはなく、別人としてクレジットカードを作れたとしても犯罪行為になる可能性があります。
もちろん、法的にも改名をしたからといって別人になった分けではなく、改名は借金が帳消しになる制度でもありません。
誤解をしないよう注意が必要です。